
アレクセイ・リュビモフ
ロシアのピアニスト、アレクセイ・リュビモフのことをみのりが知ったのはもう随分昔のことです。 デンオンからロシア・ピアニズムシリーズと題したCDがどっと出て、その中心にあったアナトリー・ヴェデルニコフに夢中になったみのりは、しかしもうこの世を去ってしまった彼の幻影を実際の世界に探していたのでした。そんな時にヴェデルニコフの師匠であるゲンリッヒ・ネイガウスの最後の弟子が来日して「ヴェデルニコフの追憶に […]

to the south コンサートレポート
遅くなりましたが、先日開催しました「to the south」のコンサートについてレポートします。しかしその前にみのりが彼女たちにコンサートをお願いしたそもそもの理由について先にお話しようと思います。 みのりが「to the south」と出会ったのは一昨年の春でした。鍵盤担当の南方さんとはもう20年近く前からの知り合いだったのですが、彼女が2枚目のソロアルバムを出した記念のライヴを聞きに行ったと […]

モーリス・ラヴェル「ボロディン風に」
次回のピアノの発表会が来年2月の初めにきまりました。みのりはいろいろ迷った挙句、バッハのシンフォニア11番とラヴェルの「ボロディン風に」、そしてレイナルド・アーンのピアノ曲集『当惑したナイチンゲール』から「長椅子の夢見る人」を弾くことにしました。このうちレイナルド・アーンはここ数年やっとその魅力に気が付いた作曲家で、小品ではありますがいよいよ挑戦してみようと思っています。レイナルド・アーンについて […]

リチャード・ストルツマンと佐々木節夫さん
リチャード・ストルツマンというクラリネット奏者をみのりに教えてくれたのは、もう随分前に亡くなっしまったみのりと歳の離れたお友達の佐々木節夫さんでした。節夫さんはもともとレコード会社でディレクターをしていた方ですが、みのりが知り合った時には既に退社して音楽評論家として、当時はまだ珍しかったピリオド楽器演奏家を主に応援していました。フランス・ブリュッヘン、アンナー・ビルスマ、ジョス・ファン・インマゼー […]

ベル&セバスチャンへの思い
ベル&セバスチャンを初めて知ったのは、当時ロンドンに住んでいたみのりの友達が一時帰国して会ったときでした。「今とっても夢中でグラスゴーまでライブ見に行ったほど!」と興奮して話してくれて、彼女はみのりにとってとても信頼できる友達でしたのでさっそく1stアルバムを買って聴いてみました。 しかし正直ピンとこなかったことをよく覚えています。なんだか不安定な演奏だし歌声も線が細くて、彼女はこれのどこを良いと […]

古川麦コンサート with 田中佑司 レポート
5月10日に行われた「みのりの眼コンサート vol.5 古川麦 with 田中佑司」についてレポートします。 (なお、以下に掲載している画像はリハーサルで撮影されたものを使用しています。) 今や飛ぶ鳥を落とす勢いの麦さんと様々なセッションでその存在感をアピールしている佑司さんに対する人気はさすがというべきで、予約は早々に完売し急遽会場のキャパぎりぎりまで席を開放したもののそれもすぐに売り切れてしま […]

古川麦 “far/close” リリースライブ @WWW
待ちに待った古川麦さんのレコ発ライヴに行ってきました。 レコ発といってもアルバムは昨年の秋にリリースされていていたのですが、ベース、ドラムとの基本フォーマットにパーカッション、トランペット、トロンボーン、さらに弦楽カルテットが加わるといった大編成によるものだったのでその準備に時間がかかったのかもしれません。しかし結果としてかけた時間も納得の素晴らしい内容の演奏を聴くことができました。 髙城晶平さん […]

pair「Pair!」
今回とりあげるこのアルバムは山田杏奈さんとLlamaの吉岡哲史さんがpairとして2012年に発表したアルバムです。実はみのりはLlamaをほとんど聴いたことはないのですが、山田杏奈さんは初めてJimanica Band Setでのコーラスを聴いたときからその声に魅了されていて、その時購入したソロ・アルバムも大好きだったので、すぐにこのアルバムも手にしたのでした。 1曲目「なまえ」が始まった時のパ […]

セルソ・フォンセカ「フェリアード」
みのりが現在よく聴いている音楽はブラジルやアルゼンチンの音楽です。このうちアルゼンチンの音楽は比較的最近、日本で密かにブームになりつつあるのと同時に聴き始めましたが、ブラジル音楽を聴き始めたのはもう四半世紀ほど昔のことになります。それまでもボサノヴァの斬新な和音に心奪われたりもしていたのですが、本格的にハマったのは大学時代に先輩が貸してくれたカエターノ・ヴェローソのアルバムからでした。最初はピンと […]

スクリッティ・ポリッティ「アノミー&ボノミー」
みのりが洋楽を聴き始めたのは中学生の頃でした。当時は80年代でシンセサイザーのキラキラした音がちりばめられたポップスがチャートを賑わしていて、今から振り返ってみてもまさにバブルな時代だったなぁと思います。耳心地のよくうすっぺらい音楽を次から次へと消費しまくっていて、別にそのこと自体悪いことだとみのりは思っていませんが、身を削って音楽を作っているアーティストにとってはそれこそ躁状態でなければ耐えられ […]

古川麦「far/close」
まずはこの映像をご覧ください。 今回ご紹介するのはここでギターを弾きながら歌って、極上の音楽をうみ出している古川麦(ふるかわばく)さんです。 みのりが麦さんを初めて知ったのは信頼する音楽愛好家さんのつぶやきからでした。ちょうどそのころトリオでのライブがあり、そこでドラムを担当していたのが大好きな田中佑司さんでしたので、きっとこれは良いに違いないという根拠のない確信をもち(みのりのこの確信は結構な確 […]

権頭真由ソロコンサート レポート
みのりが権頭真由さんを知ったのは一昨年の秋でした。彼女ともうひとりのアコーディオン奏者とで組んでいるユニット、momo椿*のコンサートを聴きにいったのがきっかけです。そのコンサートが行われた会場には立派なグランドピアノがあって、まず最初にそのピアノを使ってふたりが連弾したのですが、その曲が始まってすぐに、それがみのりにとって大切なものであることがわかりました。それから演奏される曲はどれもみのりの好 […]