京都文化博物館で行われていた「幕末明治の京都の日本画」展に行ってきました。

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幕末明治の京都の日本画界は大きくふたつ、南画派と円山四条派が中心となって活躍していました。みのりは日本画に目覚めたきっかけが幕末絵師、円山応挙でしたので、特にこの十年ほどそこから始まる流れに沿う絵師の作品を意識的に見てきました。

また南画については、もともとぱっと見技術的に劣るように感じて、長らく真剣に見ずにスルーしていたのですが、最近みのりがもっとも信頼する感性をもつ友人にその良さを指摘されてから、食わず嫌いはやめてちゃんと見るようにしてみました。そうすると作品によってはとても味わい深いものであることがだんだんわかってきて、今はまだ知らない南画の魅力を見つけ出すのが楽しみで仕方がありません。

ですから、今回の展覧会は規模の小さいものでしたが、その開催を知ってから見に行くのをとても楽しみにしていました。またなぜかこの時代の京都の絵は、現在の美術界であまり重要視されていないようで、あまり展覧会でまとまって見る機会がありません。その意味でもこの展覧会は貴重なものでした。

今回の展覧会ではたくさんいる当時の絵師のうち、南画の田能村直入、円山四条派の塩川文麟、森寛斎、幸野楳嶺、今尾景年に絞って作品を展示していました。

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今回の一番の収穫は、田能村直入という絵師の実力の高さを思い知らされたことです。展示された10作品のどれもがクオリティの高いもので、大胆にも繊細にも自在な筆遣いで、ものによっては南画には見られない写生に通じる表現もあり、しかしどれも南画ならではの絵の世界に身を投じて俗世から離れることのできるものばかり。地味な存在ではありながら、それは扱う側に問題があるのではないかなと思いました。

また、2作品のみの展示ではありましたが、塩川文麟の作品は絶品の極みというべきものでした。特に「常磐御前雪中図」はまさに京都の絵画の伝統をしっかり受け継ぎつつ気品も高く、現代においてもその美点をアピールするもので、見ていてため息がでるほどにすっかり魅了されてしまいました。これほど美しい作品はあまり見る機会がないとさえ思いました。

大作では、二曲一双の森寛斎の屏風「京都新名所四季図」が、円山応挙直系画法である三次元世界の二次元平面への再現が巧みになされ、またこれも優れた応挙作品に共通する端正さが同様に現れていて、本当に素晴らしい作品でした。

他に、いくつかの作品では凡作と感じる作品もありましたがそれ以外は総じて質が高く、この時代の絵師の技術の高さを改めて感じることのできる展覧会だったと思います。

絵画の世界に限りませんが、幕末明治期は革新的な西欧の技術の流入という大きな波の中で、各々が自分たちの表現を確立しなくてはならなかった時代です。そこではこれまで当たり前のこととして引き継いできたものの上に、新しい技術をそれぞれのやり方で巧みに取り込んで、さらに一段先の表現が実に見事に達成されています。その成果は現代から見ても十分新しいもので、そのことがもっともっと一般に知られてほしいとみのりは考えています。