ピアノの発表会が終わりました。

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みのりは今回、バッハのインベンション9番、シンフォニア4番、ラヴェルの前奏曲を弾きました。
結果は、インベンションはボロボロ、シンフォニアはとりあえず音符は間違えずに弾けた、そしてラヴェルは今のみのりの実力で望みうる最高の演奏ができた、というものでした。

場所は六本木のサロンで、みのりは今までここで2回発表したことがありますが、なんとなくここのピアノのタッチと音響は実はあまり好きではありません。自分で弾いた音がぼんやりとして直接自分に聞こえてこない感覚を覚えるのです。普段自宅やレッスン場では音も明瞭で自分の指の感覚と聞こえる音との間にギャップを感じなくて弾きやすいのですが、このサロンではそれがないために弾いていて不安を覚えます。

そんな不安がもろに出たのがインベンションでした。もともと高速でメカニカルな技術を要求されるこの曲をプログラムの最初に置いたことにも不安があったので、相乗効果で演奏が崩れてしまいました。家ではあれほどなめらかに弾けていたのにと思いましたが、でも結局は練習でもよくつっかかるところで弾き損じたりしてしまったので、これは実力がそのまま出たのだとも思います。

でも失敗しても気持ちが崩れなかったのが救いで、残り2曲では比較的冷静に演奏することができました。といいつつ後からどんな風に演奏したか思い出せなかったことから、自分で思っていた以上に緊張していたようです。

聴きにきてくれた家族が演奏を録音してくれていたのでそれを帰ってきてから聞いたのですが、音を外すことはなかったシンフォニアもなんだかぎこちない演奏。バッハといえば対位法、つまり複数の旋律が絡み合うもので、シンフォニアの場合は3本の線が並列しています。その時々で主となる音のつながりがありそれを聞かせる必要があるのですが、どうにもそれを意識しすぎていて、そもそも大切な音楽全体の流麗な流れが損なわれている。そんな感じでまだまだだなぁと感じずにいられない演奏でした。

ラヴェルはここのブログで以前挙げた曲です。録音を聴きなおしてみても満足なできでした。本番ではいつもより気持ちゆったりなテンポで開始したのが功を奏したようです。余裕を保ちつつ、いかにもフランス的なアンニュイさを醸し出す適度なアゴーギグやダイナミクス、イメージの奥行を演出する響きの多様性など、今のみのりのできる範囲ではありますが、思い描いたイメージが自然に表現されていました。繰り返しになりますが、今時点での最上の演奏だったと思います。それは聴いていた人にも伝わったようで、終演後のパーティではいろいろな人からラヴェルの演奏についてお褒めの言葉をいただくことができて、とてもうれしかったです。

課題もはっきりし、満足も得ることができた今回の発表会。今後のさらなる精進の良いモチベーションとなりました。一年後の発表会はもっと上手になった演奏をしたいものです。早くも来年のことを既に考えていて、演奏する曲は、スカルラッティのソナタk9、159とラヴェルの「ボロディン風に」にしたいと思っています。バッハももっと弾きたいのですが、スカルラッティは長いこと憧れているのでそろそろ挑戦してみたいと思っています。ラヴェルは前にも書いたとおり「ハイドンの名によるメヌエット」とどちらにするか悩むところですが、スカルラッティとの組み合わせで考えると、端正で古典的なつくりの「ハイドン…」よりフランス的なゆらぎのある「ボロディン風に」の方が変化があっていいかな、と。また後者の方が音楽的にダイナミックな効果がある曲なので、これまでそのような曲をやってこなかったみのりにとっていい勉強になると思います。

まだまだ大した技術を持っているわけではありませんが、やはり音楽を自分で奏でることができるのはいいなぁとしみじみ思います。少しずつ自分の好きな曲がレパートリーに加わっていくのが楽しくて仕方がありません。もっともっと上手になって、自分以外の人に聞いてもらっても楽しめるようになりたいとみのりは考えています。

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