最近はCDを買うのもネットばかりでお店に行くことは稀になりました。でも未知の音楽を見つける手段としてネットとお店とでは大きく違うなぁとよく思います。端的に言えば、ネットの方が品揃いはよく関連している項目で見つけ出すことは容易ですが、まったく関連のないものに出会うチャンスはお店の方が多いです。ですから、みのりはできるだけお店に行くことも減らしたくないなぁと思っています。で、気になるCDを見つけたらそれをネットで検索して評判を調べたりYoutubeなどで試聴したりした上で購入するのが理想的です。

ところで最近久しぶりにお店に行ったらグラスゴーのポピュラー音楽についての本が出ていてなんだか懐かしく感じました。みのりがかつて欧米のポピュラー音楽をよく聴いていた頃、ベル&セバスチャンというグラスゴーのバンドに夢中になり、その関連でグラスゴーの他のバンドも聴いたりしていたからです。それから随分とブランクがありますが、まだかの地では音楽が盛んらしいことがわかり、みのりは少しうれしく感じました。そして当時あまり騒がれなくておそらく今となっては忘れられているであろう、しかしみのりにとってはとてもとても大切な一枚のアルバムを久しぶりに思い出して聴きなおしてみました。それはグリーン・ペッパーズのファースト・アルバム「ジョニズ・ガーデン」です。

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グリーン・ペッパーズはジム・マッカロクというグラスゴーで長年ギタリストとして活躍していた人がソロのプロジェクトとして始めたものです。

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このファースト・アルバム二収められた曲はどれも彼のギターとうたが基本となっていますが、曲によってクラリネットやピアノやストリングスなどがさりげなく配され、また2曲ではかつてベル&セバスチャンに在籍していたイゾベル・キャンベルが歌っています。彼らの内省的なうたによるところもあってどの曲も派手さとは遠くかけ離れたものですが、全体的に音楽的な広がりが十分感じられ、またそのつつましやかなおもむきがとても魅力的です。ベル&セバスチャンはよくニック・ドレイクとの関連を指摘されていましたが、このアルバムはまさしくニック・ドレイク直系の美しく儚い繊細さを持っています。

またアルバムの最後に収められた「タイム・マシーン」という少しだけ活発で明るい曲、この曲のメロディはXTCのアルバム「ノンサッチ」に収められている「ゼン・シー・アピアーズ」と一部共通のものです。XTCはデビュー時のひねくれた音楽からどんどん不純物が取り除かれていって「ノンサッチ」でひとつの到達点に至ったわけですが、「ジョニズ・ガーデン」に収められている曲はどれも同じくらい洗練されています。「タイム・マシーン」と「ゼン・シー・アピアーズ」とで共通するものを持っていることは象徴的に感じられて、みのりがこのアルバムをさらに愛する理由となっています。どちらの曲も足が進む先にあるあふれる光を感じさせてくれてとてもうれしい気持ちになります。

みのりはこのアルバムをお店ではなく雑誌のレビューを見て知ったですが、当時も今も試聴する手段はほとんどなく勘だけで購入しました。最初のアコースティック・ギターの力強いストロークによる音を聴いた瞬間に「当たった!」と思ったのをよく覚えています。そこから出てくる曲、出てくる曲、そのどれもが素晴らしく、これほどの作品はそうはないと思いました。それから今までそれこそ何回聴いたか数えきれないほどですが、その思いは今も依然として強いままです。もっとたくさんの人に聴いてもらいたいと思いつつも、それを声高に叫ぶことはこのアルバムに収められた曲たちにそぐわない気もします。みのりが信頼するともだちにこっそり教える、そんな感じがちょうどいいのかもしれません。CDも楽に手に入るよう。まだこのアルバムを聴いたことがなくて、少しでも興味を持った方はぜひ聴いてみてください。

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ちなみにグリーン・ペッパーズはその後2枚のアルバムを出していますが、このファースト・アルバムのクオリティには残念ながら及びません。でもまたいつの日か同様に素晴らしい作品を作ってくれることをみのりは願っています。